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インバウンドサミット2024開催レポート

2024.10.18

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「インバウンドサミット2024」(主催:インバウンドサミット2024実行委員会 運営事務局:株式会社MATCHA)は、東京ミッドタウン八重洲とオンラインのハイブリッド形式で、2024年9月19日に開催いたしました。

今回のサミットでは「本物とは何か?」をテーマに掲げ、日本が提供すべき「本物の価値」について、トークセッションや企画展などを通して問いかけました。世界的に観光産業が活況を呈する中、円安による一時的な好調にとどまらず、訪日客に日本の真の魅力を届けて、海外から選ばれ続けられる国になるような可能性を探りました。

今年は、会場には昨年を上回る703名の方々に参加いただき、オンライン視聴には3,500名以上の方々からの申し込みがありました。

ご来場いただいたみなさま、ご視聴いただいたみなさま、ありがとうございました。

参加者の多くは、インバウンド市場への参入を検討している企業や、既に取り組んでおり、さらなる成長とネットワーキングを目的とした事業者の方々でした。今年は特に、学生をはじめとする若い世代の参加も目立ち、幅広い層に関心を集めるイベントとなりました。

開催概要
日時: 2024年9月19日(木) 10:00〜19:00
会場: 東京ミッドタウン八重洲 4・5F(東京都中央区八重洲二丁目2番1号、東京駅直結)およびオンライン
公式サイト: https://inbound-summit.com/

インバウンドサミット、最大規模の開催、14のセッション開催

今年は、3会場で14セッション、展示会(インバウンド共創フェア)、企画展(世界に広げたい日本の本物展)が行われました。

基調講演では、サントリーホールディングス代表の新浪剛史氏が登壇し、続く基調セッションには各界のリーダーたちが勢揃いしました。大手企業・ベンチャー企業によるピッチ、ワークショップが展開され、立ち見になるセッションも多数あるなど、大盛況となりました。

全てのトークセッションをご紹介することは難しいですが、特に注目を集めた新たな取り組みや、インバウンド市場で話題となっているキーワードを取り上げたセッションをいくつかご紹介いたします。

今年初開催、ネクストツーリズムアワード

「ネクストツーリズムアワード2024」は、大手企業の次世代リーダーや現場を支えるマネージャーが、観光業界の発展に向けた取り組みをプレゼンテーションする新たな企画です。各社ならではの強みを活かした事例や課題解決策を共有し、インバウンドや観光業界のさらなる成長を目指します。

今年は、5社からの応募があり、ネクストツーリズムアワードを手にしたのは、一般社団法人関西イノベーションセンターです。

【ネクストツーリズムアワード】
受賞者:一般社団法人関西イノベーションセンター https://www.muic-kansai.jp/
益子 泰岳氏

【イノベーション賞】
既存の課題に対して、斬新な発想や技術を導入し、観光業界に大きな影響を与えたか。
受賞者:
一般社団法人関西イノベーションセンター https://www.muic-kansai.jp/
益子 泰岳氏

【カルチャー賞】
日本の伝統文化、芸術、歴史を守り、発展させる取り組みか。
受賞者:
中部国際空港株式会社 https://www.centrair.jp/index.html
森 勇樹氏

【ソーシャルインパクト賞】
地域社会の活性化や環境保護、SDGsへの貢献など、社会的課題やニーズにどれほど適合しているか。
受賞者:
日本航空株式会社 https://www.jal.com/ja/
伊藤 優希氏
一般社団法人関西イノベーションセンター  https://www.muic-kansai.jp/
益子 泰岳氏

ネクストツーリズムアワード結果発表リリース:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000271.000047971.html

観光業界で新たな注目となっているキーワードをテーマとしたトークセッション

インバウンド市場で新たなキーワードが浮上しており、そういった新たなトレンドや技術にどう向き合っていくべきか注目を集めています。今回のインバウンドサミットでは、以下のセッションでは「AI」や「デジタルノマド」という今年より注目を集めているキーワードに対して、専門家や現場の実践者を迎えてトークセッションを行いました。

AIはインバウンドをどう変えるのか?

AIを積極的にデザインやプロダクト開発に取り入れているTHE GUILDの深津 貴之氏、観光業界の最前線でAIを活用するTrip.comの高田 智之氏、そして広島県観光連盟の山邊 昌太郎氏をお招きし、モデレーターを弊社代表の青木が務めパネルディスカッションを行いました。

参加者からは、広島県観光連盟やTrip.comの事例が特に強い印象を残し、AIが観光業界にもたらす可能性への期待が高まったという声が多く寄せられました。また、AIが業務の効率化や技術支援を提供する一方で、人間の温かみや個別対応の重要性も改めて認識され、観光分野におけるAIと人間の役割分担について再考する貴重な機会となりました。

「インバウンド」の境界線 ~在留外国人、VFR、デジタルノマドの重要性~

インバウンド市場で、「デジタルノマド」や「VFR(Visiting Friends and Relatives)」といった新しい長期滞在のスタイルが注目を集めています。デジタルノマドは、インターネットを活用し、場所に縛られず働く人々を指し、VFRは在日外国人を訪れる友人や親族が日本を訪れることを意味します。こうした新しいトレンドが広がる中で、どのような機会が生まれ、どのような対応が今後求められるのでしょうか。

このテーマを深掘りするため、世界水準の観光地を目指す北海道ニセコ町の片山健也町長、在留外国人向けの生活支援サービスを提供する株式会社グローバルトラストネットワークスの佐藤彰氏、英字メディア「Tokyo Weekender」を運営するENGAWA株式会社の四方麻衣子氏をお招きし、弊社COOの齋藤がモデレーターを務めるパネルディスカッションを開催しました。

議論を通じて、VFRやデジタルノマドの受け入れに必要な体制の整備や、その難しさについて多くの共感が寄せられました。具体的な事例や市場データも共有され、参加者からは新たな知見を得たとの声が多く聞かれ、インバウンド市場の多様性や新しい観光の可能性についての期待が高まったセッションとなりました。

現地限定のワークショップ

今年は、東京会場限定で、3つのワークショップを開催しました。それぞれ、地域で情報発信を行う方々向け、DMOなど地域活性化に取り組む方向け、そして学生向けにテーマを絞り、参加者に深い学びと交流の機会を提供しました。参加者からは「現場でのネットワーキングや東京会場ならではの熱気に触れられて良かった」といった声が多く寄せられました。

特に印象的だったのは、学生向けワークショップに高校生も参加してくれたことです。高校生からは、次のようなコメントが寄せられ、彼らの熱意と学びへの意欲が感じられました。

「参加したトークセッションを一番の目的として今回のインバウンドサミットに参加させていただきました。(ワークショップのモデレーターである)髙井教授に声を掛けていただき、とても心強く、安心して取り組むことができました。大学生の方々と交流し、自分よりも倍以上の知識を持つ方々と関わることで、大きな刺激と活力を得ました。」

インバウンドサミットのトークセッションはアーカイブ視聴可能

今回のインバウンドサミットでは、全体を通して「同時開催したトークセッションがどちらも魅力的だった」や「全ての時間は他の業務との兼ね合いで見れなかった」などのお声も聞こえてきました。

インバウンドサミットの内容が、現地のみのワークショップなどを除き、全てアーカイブ視聴での公開を完了しました。みなさまが興味のお持ちになるセッションをぜひご視聴ください。

以下の公式サイトより視聴可能:
https://inbound-summit.com/2024/archive

<公開しているトークセッション>
・基調講演「日本は世界でどう戦っていくか」
・基調セッション「日本の観光 未来に続く本物の価値とは」
・「ネクストツーリズムアワード」
・「AIはインバウンドをどう変えるのか?」
・「インバウンドを通じて、どう企業価値を高めるか」
・「地方の観光投資のポテンシャル」
・「「インバウンド」の境界線~在留外国人、VFR,デジタルノマドの重要性~」
・「Authentic adventure tourism-本物のアドベンチャーツーリズムとは何か?」
・「インバウンドスタートアップピッチ2024」
・「文化とビジネスは両立し得るのか」

インバウンドサミットin瀬戸内も11月に開催

「インバウンドサミット in 瀬戸内」を実施する事になりました。昨年の「中部」を実施して以来、2回目の地方開催になります。
また2日間に渡り、地方での訪日客の誘致、受け入れを考えるイベントとなります。

今回のサミットでは、1日目の有識者によるテーマ別セッションに加え、2日目には持続可能な観光地として「Green Destinations Awards」でシルバーアワードを受賞した愛媛県大洲市へ2日目に訪問します。地域と連携した世界基準の取り組みを、現地で肌で体感いただけます。

観光やインバウンド業界に関わる皆さまに、ぜひこの機会をご活用いただき、持続可能な観光の未来について共に考える場にご参加いただければと思います。

<開催概要>
◾️イベント名
インバウンドサミットin瀬戸内「日本のチャンスは瀬戸内にあり」

◾️開催日時
DAY1 2024年11月7日(木) 
・トークセッション 13:00〜17:00
・アフターパーティー 17:30〜19:30
・特別プログラム 20:00〜21:10

DAY2 2024年11月8日(金)9:00〜16:00

◾️開催方法
オンライン&オフライン※アーカイブ配信あり(要事前申込)

◾️開催場所
DAY1 愛媛県民文化会館 2階(真珠の間)
DAY2 愛媛県大洲市内

◾️主催
株式会社MATCHA

◾️お申し込み
https://inbound-summit.com/setouchi

インバウンドサミット2024は、おかげさまで大盛況の中幕を閉じました。

ご参加いただいた皆様、ご登壇・ご協賛くださった皆様、誠にありがとうございました。

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