地方だからこそSNSではなく記事で発信。1人で挑むインバウンド施策にMATCHAラボを活用|秩父旅館 比与志
2024.12.13
MATCHA Contents Manager
訪日客数が過去最大を記録する中、政府はインバウンドの地方誘致強化を、地方創生の切り札と位置づけています。その中で、経済効果の高いインバウンド観光が特に注目を集めています。埼玉県秩父市の旅館「比与志」は、2023年からMATCHA Contents Managerを導入し、訪日客へのガイドとして積極的に活用しています。さらに、今年新設されたインバウンド担当者向けコミュニティ「MATCHAラボ」で最新情報を収集し、日々の業務に役立てています。
この度、旅館比与志の前川さんにMCMを導入する前と後の変化、MATCHAラボなどについてお伺いしました。
※MATCHA Contents Manager(MCM)は、誰でも簡単にインバウンド観光プラットフォーム『MATCHA』へ情報を投稿し、多言語で発信できるサービスです
https://company.matcha-jp.com/service/mcm/
訪日客への施策としてSNSの限界を感じ、MATCHA Contents Managerへシフト
ーMATCHA Contents Managerの導入前にはどのようなPR施策をされていたのでしょうか?
コロナ禍では、在宅時間が増えたこともあり、Instagramでの情報発信を強化し、投稿への反響を受けてフォロワーを1万人まで増やすことができました。しかし、コロナ収束後に海外のお客様を対象とした施策を進める中で、Instagramだけでは十分な効果が得られないのではないかと感じ始めました。その理由は大きく2つあります。
1つは、海外のお客様を集客する際、最終的にはGoogle検索の方が効果的なのではないかと感じたことです。秩父のような海外の方に知名度の低い地域名を、Instagramで積極的に検索する人は多くないかもしれません。もう1つは、SNSは「なんとなく見ている」ユーザーが多いため、認知拡大には役立つものの、購買意欲の喚起にはつながりにくいということです。Instagramのフォロワーが1万人に達したものの、購買につながるまでには体感として約1年ほどのタイムラグがあったと感じています。そういった課題を感じて、新たにMATCHA Contents Managerの導入を始めました。
地元のイベント最新情報を中心に訪日客向けのガイドとして活用
ーMCMの記事を書く際に工夫している点は?
訪日客に情報を届けるには、この時代は特に口コミが大事だなと思っています。なので、MCMの記事はそういった口コミのきっかけになるようなものを投稿しようと心がけています。インバウンドと一口に言っても、多様な国や文化があるため、一般的な情報発信では、訪日客に深い共感を得るのは難しいと感じました。導入からしばらくして、お客様から「秩父でどこかに行きたい」というリクエストをもらう中、エリアのイベント情報が多言語で発信されていないことに気づき、お祭りや花火などの大規模イベントのスケジュールを集め、チラシやホームページの情報を整理しました。その結果、外国人のお客様への案内として活用できると考え、こうした情報を中心に発信を進めました。この取り組みを通じて、お客様の満足度向上につながればと期待しています。
また、Facebookグループ「Chichibu Exchange Hub」を立ち上げ、記事を投稿してエリアの情報を発信しました。このグループには、秩父エリアのリピーターやリピーター予備軍の方々が参加しており、再訪のきっかけになればと考えています。情報発信する際に、リアルと連動させることが効果を生みやすいと思っています。「MATCHA Contents Manager」や「Chichibu exchange hub」はそういったリアルな交流と情報発信を繋げる役割をになっていきたいと考えています。
ー色々と試行錯誤されながら、情報発信に取り組まれているんですね。
2030年には訪日客が6,000万人に達すると予想されており、エリアによってその恩恵の格差が広がるのではないかと感じています。インバウンド市場はちょっとしたきっかけで風向きが変わるため、多様な施策を実施することで、訪日客のニーズの変化にも柔軟に対応できるのではないかと思っています。
私自身は、目先の成果にとらわれず、長期的な視点で取り組むことを大切にしています。成果というのは、突然現れるものだと思うんです。工夫を重ねながら取り組む中で、ふと成果が現れる瞬間があります。Instagramでの情報発信を通じて、その成果が出る感覚を自分でも実感することができました。
ー前川さんがインバウンド施策に取り組むモチベーションはどんなところにあるんですか?
私は、お客様に興味を持ち、心を込めておもてなしをすることを大切にしています。日本人同士だと警戒されることもありますが、海外のお客様は積極的にコミュニケーションを取ってくれるので、受け入れる側としても楽しいと感じます。訪日客を増やす取り組みは利益優先になりがちですが、私は純粋にお客様を迎えること自体を楽しんでいます。
また、敬語のような表現がない英語でのコミュニケーションは、より近い距離感で接することができるのも魅力です。さらに、チップ文化が根付いている訪日客は、私たちのサービスに対してその都度「ありがとう」と感謝を伝えてくれるので、こちらも受け入れていて嬉しい気持ちになります。
一人でインバウンド施策に取り組む中で活用する『MATCHAラボ』
ーMATCHAラボは、前川さんにとってどんな存在ですか?
1年ほど一人でインバウンド関連の取り組みを続けてみましたが、「しんどい」と感じる瞬間もありました。PVが伸びることはあってもリアクションがほとんどなく、どこか寂しさを感じていました。そんな中で、仲間と情報や経験を共有できる場所が欲しいと思っていたところ、MATCHAラボに出会いました。このコミュニティは、同じ熱量でインバウンド市場に取り組む仲間が集まり、孤独を感じていた私にとって本当に心強い存在です。
MATCHAラボでは、有益な情報がたくさん得られると感じています。Google検索では情報が偏ることがありますが、ラボ内ではニュースに対する見解や意見交換が活発で、視野が広がる場として大きな価値を感じています。ただの情報収集の場ではなく、「本屋」のような場所だと感じることもあります。他の誰かが興味を持ったニュースや取り組みを知ることで、自分だけでは辿り着けなかった新しい発見があるのです。
作家の秋元康さんの『探していた本の隣の本棚を見るべき』という言葉を何かで見かけたのですが、MATCHAラボでの経験に通じる部分があると感じています。自分の興味だけに偏りがちなこの時代に、他者の視点や取り組みに触れられる場は、ますます重要だと感じています。
ー今後、取り組みたい展望について教えてください。
秩父には素敵なバーがいくつもあり、カジュアルに楽しめる夜のガイドツアーなども取り組んでみたいと考えています。また、情報発信については地域全体が一体となって進められる形が理想です。秩父には多くの観光関連団体や事業者、自治体が活動しており、これらが連携することで、イベント情報をより迅速かつ詳細に発信できる可能性を感じています。地域の魅力をより多くの人に伝えられるよう、引き続き工夫していきたいです。
<関連リンク>
・旅館「比与志」のMCMを活用したMATCHA記事一覧
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