COLUMN

株式会社MATCHA10周年を迎えて【COO齋藤慎之介】

2024.03.06

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2024年2月9日(金)に開催されたMATCHA10周年イベント。
MATCHAで働いているメンバー、今まで支えてくださった皆様、今後ご一緒してくださる皆様を迎え、「MATCHAのこれまでの10年の感謝と、これからの10年の希望」をテーマに、一緒に時間を過ごしました。

イベントの中で、COO齋藤が「10年後の日本の観光とMATCHA」というテーマで展望を語りました。

最初に、自己紹介もかねて、3つの数字を紹介します。

「5」MATCHAに入社したのが2018年の10月。あっという間に5年が経って6年目に入りました。この間半分くらいがコロナで苦しい時期だったので、これから勢いを付けていくぞという気持ちです。

また、「41」は10年後の自分の年齢です。そのときには、子どもは3人はほしいななんて思っています。もっと頑張らないといけないです。

そして「6.1」。これについては、最後にお話をします。

テクノロジーの進化と、未来の人間が求める旅の本質

さて、この先10年、20年先の未来では、テクノロジーの進化とともに、人々はより旅を求めるようになるでしょう。

というのも、AIは当たり前のように日常に馴染んでいるでしょうし、仮想の世界で旅行ができるようにもなるでしょう。世の中はますます効率化され、時間の過ごし方は瞬間的、隙間的になり、記憶に残るような体験が少なくなってしまうんじゃないかと思います。今でも、どこに行っても気がついたらインスタを開いたりして、目の前の環境に没入しにくかったりしますよね。

僕は、そんなタイパ重視の未来だからこそ、旅や観光の価値が高まるんじゃないかと思います。今ここで感じている自分にじっくり向き合って、より内面的で、人間くささのある本質的なものを求める時間に価値を感じるようになる。

日本でも、デジタルノマド向けに6ヶ月滞在できるビザが新しくできます。どこでも仕事ができるようになるので、人々はもっと移動し、他者との出会いや繋がりを通じて、自分を深く掘り下げることにより豊かさを感じるようになるのだと思います。

日本文化の役割:旅行客を豊かにする

日本文化には、世界の人々の人生を豊かにするエッセンスがたくさんあります。人との繋がり、感謝の心や愛や、自然や芸術との対話を通じて、自分自身を豊かにしてくれる素晴らしい文化が溢れています。

皆さんは、「お土産」の語源を知っていますか。お土産は日本ならではの文化だそうですが、これで「みやげ」って読むのってなんでだろうと思いますよね。

諸説あるようですが、「ミアゲ」という語源があるそうです。「土地をよく見て品を定め、誰かに差し上げる」という意味だそうです。

先日、兵庫県の丹波篠山に行きました。そこでは、市の職員の小山さんという方に2日間案内をしていただいたのですが、僕はそこで美しい青磁色の王子山焼きと、丹波焼の大皿に一目惚れをして2つ購入しました。結構いい値段しました。

そのときに、「僕はなんでこれを買っているんだろう?」と考えました。モノが良かったのはもちろんですが、町中を案内して出会いをくれた小山さんへの感謝であり、自分を迎え入れてくれたその土地への感謝であり、この土地の良さを誰かに伝えるために、品を見定めて買ったんだなと思ったんです。小山さんも「齋藤さんを連れてきて良かった」と言ってくれました。

これが日本文化です。このような日本文化に、世界の人々は魅了されており、10年、20年先の未来にも、人間としての豊かさを求めて、彼らは日本を旅するでしょう。

訪日客の真の価値観の理解不足。インバウンド対策は、人の心を動かすこと

一方で、日本の観光には1つ大きな課題があります。それは、まだ誰も、訪日客の真の価値観を理解できていないということです。

もっというと、インバウンド観光に携わる人達が、本当に彼ら彼女らの身になって、訪日客のことを大事に思って観光施策を行っていないんじゃないかなと思うことがあります。

MATCHAを分析すると、訪日客が欲している情報の大半は交通アクセスに関する当たり前の情報です。未だに、高速バスの時刻表や、交通アクセスの案内などの当たり前のことが全然できていないのに、自分達が売りたいことばかりPRして、別のことをやろうとする。

なんとなく「インバウンドやらないと」みたいになって、インバウンド=ビジネスというような印象が少し強い気がしてしまうんです。

確かにインバウンドは言うまでもなくビッグマーケットですが、インバウンド対策の本質は、お金ではなく心を動かすことです。訪日客は、人生を豊かにしたくて、日本に旅をしにやってきます。日本文化が残り続けるという結果は、誰かをちょっと幸せにしたり、豊かさを作ることの延長線上にあるんだと思います。

MATCHAの使命は、訪日インサイトに基づくソリューション提供

僕たちの使命は、訪日客の真の価値観を誰よりもよく理解し、観光の担い手に様々なソリューションを提供することです。そうすることで日本の魅力を再定義して世界に発信し、日本の文化を残すことです。

今僕たちはMCMというサービスにもっとも注力しており、日本のインバウンド対策の基盤になるように、MATCHAでの発信だけでなく、多言語公式HPの作成や、商品の販売機能や、リサーチ機能など、得られたデータを活用するソリューション群の構築を進めています。

また、訪日客を魅了する日本のコンテンツは何か?というMATCHAの原点に改めて向き合い、メディアのコンセプトからUIまでアップデートしていきます。

訪日客のことをよく理解しているからこそ、インバウンド戦略事業が生き、インバウンドサミットなどのイベントを通じて民間企業や地域に還元していくことができる。

僕たちは、日本中がMATCHAのソリューションを活用することで、本当の意味で訪日客のことを理解して施策を行い、迎え入れられるような状況を作れるようにしていきます。

これは、これまで10年間やり続けてきた僕たちだからこそできることです。

10年後の夢

誰よりも訪日客に詳しい会社、になれば、アイデアは止まりません。僕には10年後のMATCHAでやりたい夢がたくさんあります。

  • MATCHA HOTELを作りたい
  • コワーキングオフィスがあってもいい
  • 海外にMATCHAの拠点を作りたい
  • 社員数は300人以上、外国籍比率を50%にしたい
  • 売上高100億円達成
  • 業界の平均年収を上げたい。かっこいい業界にしたい。
  • インバウンド向けのフェスをやりたい
  • 上場企業として、より大きな規模で世の中に貢献したい など

こんな夢をみんなで作りたいし、ここにいるみんなと実現していきたい。絶対できるはずだと思っています。

ただ、それにはまだまだ力不足です。MATCHAは僕も含めて未熟なところが多く現在進行形です。コロナを経て、なかなか自分達の存在意義を言語化できない時期が続き、青木さんや仲田さん、メンバーと腹を割って議論を重ねてやっと今、ここまで言語化できるようになりました。

青木さん自ら、原点回帰

ここ数ヶ月青木さんが涙するくらい本気で経営陣がぶつかって考え抜いた結果、とある結論に至りました。10年経って「原点回帰」が必要だということです。

MATCHAがここまで来れたのは、自ら率先して、愚直に、毎日のように訪日客と会話し、日本の魅力を自らの視点で発信し続けてきたからです。ただ今の自分達には、このプロセスが足りていないと思って、青木さんに1つの提案をしました。

「社内の業務はいったん任せてもらって、6月1日から、旅に出てほしい」と。そう伝えました。はじめに「6.1」と言ったのはこのことです。

青木さんが、一番訪日客に詳しく、青木さんにしか切り取れない日本文化を本気で探してもらい、本気で海外の人に伝える、その青木さんらしい社長像のあり方そのものが、結果的にMATCHAの事業成長に跳ね返ってくるし、MATCHAのあり方をもう一度根本から太く、強くしていけると思って出した経営判断です。

数年後に振り返った時に、あの時がターニングポイントだったねと、そう言える挑戦をしていきたいと思います。

最後に

最後になりましたが、観光業界をよくするということは、大きな岩を動かすように大変なことです。日々、忙しい業務をこなしていくので精一杯で、辛くなることもあると思います。本当に忙しい中で頑張ってくれているメンバーにはありがとうと伝えたいです。

MATCHAは、訪日客の真の価値観を誰よりもよく知っている会社になります。自分達自身も旅を楽しみながら努力を続ければ、きっと「日本に来て人生が豊かになった」という訪日客の笑顔と、明るい未来を作れるはずです。

次の10年も、日本を代表するインバウンドの会社をMATCHAのみんなと、ここにいる皆さんと作っていけることを楽しみにしています。

これからもMATCHAをどうぞよろしくお願いします!

株式会社MATCHA概要

株式会社MATCHAは、「日本の価値ある文化が、時代とともに残り続ける世界に。」という理念を掲げ、訪日・在日外国人向け情報発信を専門とする、インバウンドのプロフェッショナルです。

日本最大級の訪日・在日外国人向け情報サイト「MATCHA」及び多言語でMATCHAに投稿できる月額サービス「MATCHA Contents Manager」を運営しています。

ぜひお気軽にお問い合わせください。

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