地域に伴走して訪日客に魅力を届け、その土地のファンを増やしたい【社員インタビューvol.7 秋山幸代】
2024.10.21
Interview
MATCHAの中にいる社員についてもっと知ってもらう社内インタビュー企画第7弾。
今回のインタビューは、MATCHAのプロデューサーとして活躍している秋山幸代さんです。主に自治体や地域事業者の訪日客向けのプロモーション施策などに携わり、企画提案から伴走支援まで実施しています。
そんな秋山さんにMATCHAへの入社理由や働いて感じていることなどを聞きました!
<キャリア概要>
埼玉県出身。明治大学国際日本学部卒。日系旅行会社で訪日ツアーの企画・オペレーション、五輪事前キャンプ事務局運営に従事した後、教育×福祉分野のベンチャー企業に入社。MATCHAには2022年10月、コロナ禍を経て訪日旅行が本格的に再始動したタイミングで入社。現在、プロデューサーとして自治体や企業のインバウンドプロモーション企画を担当。
日本の魅力の届け方を考えたくて志したインバウンド業界
ー今までのキャリアを教えてください。
大学在学中に半年間アメリカへ留学した際に、日本が大好きな教授による日本の伝統文化とポップカルチャーの授業にハマり、「日本文化の魅力を世界に伝え、世界中に日本のファンを増やす仕事がしたい」と思うようになりました。
卒業後、株式会社日本旅行に営業職として入社し、最初の3年間は官公庁や外郭団体の事業でインバウンド誘致に取り組み、その後の3年間は海外の旅行会社向けに日本行きのツアー企画・造成を担当しました。東京オリンピックの際には、イギリスオリンピック委員会の事前キャンプを運営する事務局業務に従事しました。
その後、教育×福祉分野のベンチャー企業へ転職し学習支援に携わっていました。
ー旅行会社ではなく教育の会社のキャリアがあるのもユニークですね。
コロナ禍でのオリンピック開催中、反対デモを目の当たりにしながら準備を進める中で、「五輪どころではない状況の人々がたくさんいる」「不要不急と言われる事柄の価値がこれから大きく変わる」と強く実感しました。この経験を通じて、インバウンド需要が回復する前に、コロナ禍で困難を抱える人々と向き合う現場を最前線で見ておくことが、今後の日本の観光業に携わる上で役立つのではと感じ、オリンピックが終わったタイミングで、教育×福祉分野のベンチャー企業に入社しました。
仕事で生活保護家庭の子どもたちの学習・生活支援に携わる中で、訪日客だけでなく、日本で育つ子どもたちにも、日本の魅力や良さを伝える仕事がしたいと強く思うようになりました。それと同時に、日本の魅力や文化を説得力のある言葉で伝えるために、まだまだ知るべきことが多いと感じました。
日本各地で自治体や地域事業者の方々と連携し、地域住民と訪日客が触れ合う機会を創出することは、子どもたちに自身の経験と同じような気づきや発見の機会を増やすことにつながるのではないかと点と点が繋がった感じがありました。
こうした経験を経て、2022年10月にコロナによる水際対策が緩和されたタイミングでMATCHAに入社しました。
MATCHAのビジョンや青木さんの語る言葉から感じた、自身の目指すライフワークとの重なり
ーMATCHAに興味を持ったきっかけや入社を決めた理由を教えてください。
「訪日客を増やし、日本のファンになってもらいたい」という思いから旅行業界に飛び込みましたが、実際の業務はクライアントの仕様の範囲での提案が中心で、訪日客の視点から新しい企画を立ち上げるのは難しい状況でした。新卒2年目の頃には、自分がやりたいことと日々の業務とのギャップに悩み、もどかしさを感じる日々が続いていました。そんな時、思い切ってずっと気になっていた大学の先輩でもある青木さんにSNSでメッセージを送ってみました。
青木さんはすぐに会う機会を設けてくださり、その際に「これからは衣食住から、居場所・職業・充実感を重視する『居職充』の時代になる」と話してくれました。この言葉に大きな感銘を受け、「こうした価値観を持つ青木さんのもとで観光業に携わってみたい」と強く感じたことを今でも覚えています。この出会いがきっかけとなり、MATCHAで働くことが私の人生の目標のひとつとなりました。
入社までに6年かかりましたが、爆買いブームやコロナ禍を経て、日本がこれから目指すべき方向性は、インバウンド業界だけが盛り上がるのではなく、地域の人々と共に持続可能な観光を創り上げることだという思いが、自分自身でも強くなりました。自分自身がインバウンド業界で目指したいことの解像度が最も高まったタイミングで、MATCHAのメンバーになれたことは、本当に幸運だったと感じています。また、ちょうど入社面接が進んでいた時期に、インバウンドサミットを視聴できたことも大きな刺激となり、「インバウンド業界に挑戦するなら、やはりMATCHAで」と決意を固める決定打となりました。
地域と訪日客のニーズを引き出し、訪日客の滞在を双方にとってより良いものに
ー今、MATCHAで取り組んでいる仕事はどんなことですか?
プロデューサーとして、自治体を中心に訪日客向けプロモーションの企画提案と施策の伴走支援に取り組んでいます。地域が積極的に誘客したいターゲットを明確にした上で、プロモーションを自走していくためのサポートを行っています。
現在、特に注力しているのは愛媛県の「トライアングルエヒメ推進事業」での観光DX加速化プロジェクトです。このプロジェクトにMATCHAが取り組むのは今年で2年目を迎えますが、愛媛県にて訪日ターゲット層に対し、その土地ならではの魅力の伝え方を自治体や地域事業者と共に考え、観光DX推進に向けた伴走支援を進めています。1年目には、インバウンド誘客に積極的な事業パートナーに対し、地域からインバウンド向けの観光情報を持続的に発信するサービスの実装を進め、データに基づくインバウンド施策を考える機会を提供しました。
2年目の今年は、愛媛県の南に位置する南予エリアで訪日客の長期滞在と広域周遊を促す情報発信を面的・長期的に展開することを目指す多言語観光サイト「Southern Ehime Escapes 」の構築や、地方自治体の訪日客向けプロモーションのアドバイザーを兼ねるインフルエンサーの招聘、さらには訪日客と地域の交流拠点を生み出すことで目指せる持続可能な観光や、瀬戸内エリアでの連携への理解を深めることを目的とする「インバウンドサミット in 瀬戸内」の開催を推進しています。
ー愛媛県に実際に訪れて感じる魅力や訪日客に発信していきたいことは?
雄大な自然と共に生きてきた歴史の中で培われた「その土地ならではの文化」を未来へ繋ぐために尽力している方々に魅了されています。
持続可能性が求められる今の時代、愛媛の人々が長年にわたり自然と共生し、その考えを実践してきた姿勢には学ぶべきことが多く、私自身も触れるたびに深く考えさせられています。
愛媛の方々は、私たちのような外部からの意見にも柔軟に耳を傾けてくださり、その懐の深さと心の余裕が本当に印象的です。お遍路文化が根づいていることもあり、旅人に対する温かいもてなしの心を、県内の至るところで感じています。
訪日客にとっても、「いつでも 帰ってきて ええけんね」と言ってくれる愛媛の方々との温かい交流から得られる多くの学びや気づきこそが旅の醍醐味になるはずです。地元の方と観光客を繋ぐ交流拠点で活躍される方々に魅了され、リピーターになるファンを増やすべく、愛媛の方々が積極的に世界中の訪日関心層に発信できるためのサポート役を担っていきたいです。
ー仕事をしていて最もやりがいを感じる瞬間は、どんな時ですか?
クライアントが、心からWelcomeと思える訪日客の具体的なイメージを掴んだ瞬間が私にとっては、嬉しい瞬間です。
インバウンド市場が活況を迎える中、「訪日客を呼びたい」という漠然とした要望が多くなりがちですが、訪日客といっても国籍、年代、価値観によって求めるものが多様です。その地域の魅力とターゲットの求めていることが合致していると、地域も訪日客も満足度が高く持続的な関係が築けると思っています。
MATCHA上で情報発信しながら丁寧にターゲティングを進めることで、クライアントが継続的に誘客したいと思える訪日関心層の具体的イメージを掴んでもらうことを目指しています。
その過程で、地元の方の価値観が地域のスタンスとして見えてくると、その地域で重要視されている考え方が見えてきます。この考え方を言語化してもらいながら、誰にどんな目的で訪れて欲しいかクライアントと一緒に考える時間はとてもワクワクします。
地域と訪日客の架け橋となる存在であり続けたい
ーMATCHAでの今後の目標や思いについて教えてください。
「日本文化の魅力を世界に伝え、世界中に日本のファンを増やしたい」という思いは、留学時代から変わらず私の原動力です。MATCHAを通じて、より多くの人々に日本の魅力を伝え、インバウンド業界の成長に貢献できるよう、地域と訪日客をつなぐ架け橋でありたいと考えています。
また、前職での経験から、訪日客と地域住民の交流は日本で生きる子どもたちの視野を広げ、地域の魅力を再発見してもらうきっかけにもなるはずだと思っています。地域が心から歓迎したいと思える訪日客との交流を深め、その結果、「日本の/地元の価値ある文化を残すために働きたい」と思ってくれる子どもたちが増えるといいなと願っています。
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