COLUMN

MATCHAの新CFOは老舗ホテルで18年のキャリアからの転身。会社の成長を支える【社員インタビューvol.8 仲田雄一】

2024.10.22

Interview

MATCHAの中にいる社員についてもっと知ってもらう社員インタビュー企画第8弾。

今回は、この度MATCHAの取締役CFOに就任した仲田雄一さんに、今までのキャリアやMATCHAにおける新たな挑戦についてお話を伺いました。

全社の目標として「顧客への提供価値の創出と成長サイクルの確立」を掲げているこの一年。CFOに就任した仲田さんは、社会の変化に応じたビジョンの体現や、組織の持続的な成長に向けて、どのような決意で仕事に取り組んでいるのか聞いてみました!

仲田雄一
1978年生まれ。千葉県出身。神戸大学経営学部卒。帝国ホテルで労務、経営企画、経理などの本社部門を幅広く経験した後、2022年にコーポレートマネージャーとしてMATCHAに入社。コロナ禍での組織縮小によりコーポレート機能が外注依存となっていた状態を改善すべく、業務の内製化を推進。地域メディア主催のコミュニティの発足メンバーでもあるほど地域の魅力のファン。ポケモン、ドライブが趣味。

18年半にわたる安定したキャリアからベンチャーでの新たな挑戦への道のり

-今までのキャリアについて教えてください。

少し恥ずかしい話になるのですが、1997年に神戸大学工学部に入学したものの、サークルやバイトにかまけて進級に2度も失敗し、1年休学しての千葉の実家での勉強期間を経て、同大学の経営学部へ3年次編入、7年もかけて卒業しました。そんなハンデの中での就職活動でしたが、大学時代のアルバイトで感じた接客業の魅力と専攻である経営学とを組み合わせられるキャリアを模索し、2004年に帝国ホテルに入社。そこで18年半、バックオフィス中心の様々な仕事を経験しました。

まず1年の現場経験を経て、人事部労務課で給与係として3年間勤務。その後、企画部で6年間、そして社内制度を活用し35歳で単身アメリカ留学を経験しました。帰国後は経理部で3年間従事した後、最終的には本社の建て替えプロジェクトに推進部の課長として関わり、社外パートナーとの交渉や社内調整を担当しました。

その後、自分の価値観の変化やいろんな出会いが積み重なった結果、2022年にMATCHAに入社しました。

仕事とライフスタイルの見直しが生んだ転職の決断

ー長年の安定のキャリアからベンチャーへ転向した背景には何があったんですか?

今振り返ると、キャリア転向に至った理由には、大きく3つの出来事があったと感じています。

アメリカ留学時、テキサス州グレープバイン市でのインターンの上司と

1つ目は、海外留学です。学生時代の3年のハンデを取り返すべく、入社10年目のときに社内制度を利用してアメリカに留学したのですが、そこで仕事観の変化が起きました。特に印象的だったのは、インターン先の上司が「忠誠心は組織に対してではなく、自分と家族に向けられていて、組織にいることは自分と家族を幸せにする手段に過ぎない」という価値観を持っていたことです。

さらに、シリコンバレーで出会った日本人起業家の桝本博之さんとの出会いが強烈でした。彼のアントレプレナー精神や、視座の高さに触れ、働くことに対する視野が大きく広がりました。

2つ目は「LOCAL LETTER」との出会いです。帰国後は、家族や会社への感謝と恩返しの気持ちから、アメリカで芽生えた仕事観を表に出すことなく、仕事に邁進していました。しかし、ご縁があって「LOCAL LETTER」という地域の魅力を紹介するメディアに出会い、その中で取り上げられている自立した地域の人々の生き方が、アメリカで触れた価値観と共通する部分が多く、地域へのリスペクトが深まりました。

そして3つ目は、プロボノ活動を通じて自身の転職の決意が固まりつつあったときに、自分のスキルと経験を求める会社、MATCHAに出会えたことです。「LOCAL LETTER」との関係が深まり、プロボノとして手伝う中で、茨城県結城市、富山県氷見市、宮崎県新富町など地域を訪れる機会が増えました。そこで出会った人々の生き方を見る内に、本業は本業で頑張り、地域に関わる活動はあくまでプロボノ、というバランスを取っている自分に疑問を抱き始めました。

LOCAL LETTERのコミュニティのイベントで富山県氷見市を訪問
出典:「LOCAL LETTER」https://localletter.jp/articles/membership-himi/

そして、地域に関わる仕事を本格的に探し始めたのですが、バックオフィス系の求人は地域では少なく、現在の家族を支える収入を確保しながら自分が本当にやりたいことを実現するのは、簡単ではないことを痛感し、転職を諦めかけたこともありました。

そんな中、偶然にもMATCHAと出会ったんです。

ーMATCHAとの出会いや入社を決めた決め手は、どんなところだったのですか?

MATCHAとの出会いは、プロボノ活動を通じて偶然「インバウンドサミット」を知り、代表の青木のSNSをフォローしたことから始まりました。彼がオフィス転居に伴う家具の引き渡し情報を投稿していた際、思い切って「椅子を譲り受けたい」とDMを送り会いに行ったんです。結局椅子は売り切れでもらえなかったのですが、そのときの約束から数か月後にインバウンドサミットのお手伝いをしたときに、COOの齋藤とも話す機会がありました。彼との会話から「地域の良さを伝えたい」という共通の思いを感じるとともに、ちょうどバックオフィス全般を任せられるマネージャーを探していることを知り、まずは面接を受けることを決断しました。

この転職は人生における大きな決断だったため、面接も進めながら、妻とも1ヶ月ほど話し合いを重ねました。最終的にオファーを頂いたとき、このチャンスを見逃したらいつか後悔すると強く感じ、入社を決意しました。

 ーかなり大きな決断だったと思いますが、どんな点が仲田さんにとって魅力的だったのですか?

転職先を探すにあたっては「自分や会社の成果が地域の発展につながること」「自分が培ってきた、観光業界とバックオフィスの知識や経験を活かせること」という2つの条件を軸にしていましたが、MATCHAはそのどちらも満たしていました。自分の仕事自体はバックオフィスという間接的なものであっても、会社として日本全国の地域に貢献できるようなアウトプットが生まれることに、大きな魅力を感じています。

MATCHAに入社して、コーポレートマネージャーとしての挑戦

ー入社してから取り組まれた業務を具体的に教えてください。

入社時は長年バックオフィスの実務を担当していたアシスタントの方が退職したばかりで、私が新たな1人目のコーポレート部員という状況からスタートしました。まずは、とにかくコーポレート業務を停滞させないよう、自ら実務を引き取って進めました。入社3ヶ月後には待望の新アシスタントを採用しました。

そこからは、手薄だったがゆえにルールが乱れていた会計帳簿の整備など、基本的ではあるけど重要な土台を整えることに注力しました。入社半年後に経験した最初の本決算では仕訳の修正対応に相当苦労したのですが、その1年後の2度目のときは、担当税理士の方から「劇的に良くなりましたね」と褒めてもらえて、アシスタントと一緒に喜びました。組織規模が拡大していく中では、組織の裏側の仕組みもきちんと整えていくことが不可欠だと改めて感じました。

ー実際に今までと違う新たな環境に飛び込んでみて、どうでしたか?

まず感じたことは、前職のようにルールや仕組みが整っていることが当たり前ではない、ということです。前職ではときに疎ましく感じることもあったルールも、誰かの意思と目的があって創られていくものなんだ、と身をもって知ることができました。また、これまでは各部署いずれも数年ずつで突き抜けた専門性がない自分のキャリアにコンプレックスを感じていたのですが、こうした小さな会社では、一人で幅広く業務をこなせることが大きな価値になることを実感し、前職での経験を誇らしく感じ直すことができました。

自身が幹事を務めたMATCHAの10周年記念パーティ

CFO就任後に感じた心境と役割の変化

ーCFOに就任した背景や経緯を聞かせてください。

会社の数字を整理する役割を担う中で、入社して数か月の段階で経営メンバーの会議に参加をするようになったのですが、そこでのコミュニケーションや成果で積み上げた信頼により、会社が成長に向けてもう一段ギアを上げたいこのタイミングで、私の役割を引き上げてもらえたのだと感じています。

ーCFOに就任した今の率直な気持ちは?

一番感じるのは「結局はこれまでと変わらず自分らしく頑張るしかない」ということですね。CFOに役職が上がっても、ゲームのように自分の能力が急に向上するわけではありませんし。ただ、頑張り方は変えていく必要はあるとは思っていて、これまでのようにこぼれる球を自分が何でも拾おうとするのではなく、持続的な組織を目指すためにも、みんなの力も借りながら、業務を仕組み化していきたいと強く感じています。

また、CFOに内定して以降、他のスタートアップのCXOや投資家の方と会う機会も意識的に増やしているのですが、お会いする方々の中には、この国や社会をより良く変えようという本気の熱意と覚悟を持って事業に取り組まれている方も多く、そういうつながりを得られることに、転職前の自分の願いが叶っている実感も覚えています。

 ーMATCHAのCFOとしての役割とミッションを教えてください。

「みんなが安心して力を発揮でき、健やかに成長できる組織」を様々な視点から整えていきたいと考えています。具体的には、心理的安全性の確保や財務の不安を取り除くこと、そして業務の仕組み化や環境整備による働きやすさの改善などが含まれます。これは『CFO思考』という本の受け売りなのですが、ただ節約をしてブレーキを踏むだけの役割ではなく、リスク許容度を見極め、アクセルとブレーキのバランスを巧みに操れるCFOになりたいです。本書の中の「CEOの最大の批判者であり、最大の支援者であれ」という言葉にも深く感銘を受けたので、CEOの青木とのコミュニケーションにおいて意識するようにしています。

CFOとして考える、これからのMATCHA

ー経営体制が強化されて初めの1年。今年はどんな1年と位置付けていますか?

今年は全社の目標として「顧客への提供価値の創出と成長サイクルの確立」を掲げており、これにしっかりとコミットしていきたいと考えています。自分の立場としては、財務環境の整備や社内の仕組み化を推進することで、社内のメンバーがより顧客に向き合える環境を作り出していきたいです。そして、今期の取り組みを経てこの先の成長シナリオをどう描くかということは、経営として重要な役割だと感じています。

ーいま、長期的な目標に対して、どんな現在地だと考えていますか?

会社の大きな方向性は創業期からビジョンとして示されてましたが、コロナ禍をなんとか生き延びるためにさまざまな仕事を経験した中で、自社の主軸や提供価値が少し見えにくくなっているように正直感じています。ここからまた成長に向けた加速をしていく今こそ、本質を見失わず、ビジョンを具現化するための道のりを明確にする必要があります。その道のりが見えてくれば、日本の観光が抱える課題解決に向けて、より一層取り組むことができると考えています。

ー会社の掲げる長期的な目標を達成する中でCFOとして、どんな役割を果たしていきたいですか?

まず会社としては、日本のインバウンド、観光業界により良い変化を起こせる会社になっていきたいです。具体的には、MATCHAと一緒に仕事をすることで、地域で観光に関わる方々が訪日客のことをより理解し、適切な施策を実施できるようになることで、日本の価値ある文化とそれを取り巻く地域に経済が回る状態を生み出していきたいです。

社内においては、メンバー一人一人がMATCHAに在籍していることを誇りに感じ、MATCHAで身につけた知識や経験を社会のために発揮している、そんな人材を多く生み出せる組織を目指したいです。

そのためにCFOの自分ができることは、会社の成長を妨げている要素が何なのかを適切に見極め、そこに対して改善の手を打っていく、ということを愚直に繰り返していくことだと感じています。資金調達、事業戦略、組織文化、制度設計など、会社の成長とともにさまざまな課題が出て来るとは思いますが、これからも、このチャレンジし甲斐がある環境で、学び、考え、行動することを続けていきたいです。

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