「英語は得意じゃない」「旅の一番の楽しみはチョコバナナ」浅草でMATCHA社員が訪日客に突撃街頭インタビュー
2024.06.03
column
MATCHAでは、浅草に訪れた訪日客100名に突撃街頭インタビューを実施。浅草にいる訪日客の方は、日本に初来日する方が多く、旅行の目的や楽しみ方も様々。それぞれに話を深ぼりインタビューした結果、日本人が感じている課題と訪日客が求めていることの乖離を感じることができました。訪日客は、旅を楽しんでおり、言語の壁を感じることは少なく、新しい発見に心躍らされているようです。
インタビュー概要
・インタビュー対象:浅草に訪れた訪日客100名
◾️国籍内訳
ヨーロッパ29%、北米21%、東南アジア18%、東アジア14%、オセアニア8%、そのほか
◾️年齢
20歳未満4%、20〜25歳15%、25〜30歳20%、30〜35歳20%、35〜40歳4%、40〜45歳9%、45歳〜50歳4%、50歳〜55歳8%、55歳以上12%
◾️旅行の同伴者
家族49%、夫婦、カップル21%、友人18%、ひとり9%
◾️日本への訪問回数
初回69%、2回目以上31%
データで読み解けた訪日客の傾向
日本への滞在日数は1週間以上が85%!旅のゆとりが違う
今回アンケートを取った中では、訪日客の滞在数は1週間以上が8割以上を占め、10日以上の滞在の割合は4割以上にのぼる。旅先での急な予定変更などに日本人より外国人の方が柔軟であるというのは、旅の滞在日数の違いから生まれているのかもしれません。
旅の情報を調べる手段はSNSより検索エンジン。アクセスは旅行前には調べず現地で!
SNSが発展している現在でも、旅行の情報を調べる手段としては圧倒的に検索エンジン。旅マエと旅ナカで情報収集する内容が変わっていることも興味深い結果となりました。アクセスなどは、旅マエからは入念に調べず、旅に出てから調べている傾向がわかります。また食に関しても同様のことが言える。宿泊施設などは、旅マエにしっかりと調べて予約する傾向があります。
観光情報や宿泊施設は、旅マエでいかに訪日客に認知してもらえるかが鍵になりそうです。飲食店など食事を提供する施設に関しては、旅ナカの行動の導線の中でいかに認知してもらえるかが鍵になりそうですね。多言語での看板やGoogleMapなどの地図アプリの情報の充実など施策は考えられそうです。
インタビューから気づいた訪日客の本音
1. 日本人ほど訪日客は言語に対する壁を感じていない
現在、インバウンドが復活をし訪日客が急増する中で、受け入れに対して様々な課題を感じている観光事業者や自治体が多いです。2023年度に行われたJATAの調査では、64%が人材不足と回答をし、その中でも31%が外国語対応スタッフの雇用を多言語のインフラ整備と同じ割合で課題としてあげています。
では、実際に訪日客はコミュニケーションに対して不便さを感じているのでしょうか?
今回の調査で85%の人々は、旅行中に不便だったこととして言語の壁は選択しなかったのです。残りの15%の人はというと、彼ら自身も英語に不安があり、意図が伝えきれない時があるという答えが返ってきました。
また日本人の目線からすると外国人は英語を話せるという固定概念がゼロではないと思います。しかし、今回の調査でも第一言語が英語の人は21%。
この記事にもある通り、英語をネイティブとして話す人口は世界の5%しかいません。訪日客も、私たちと同じで英語を習得して意思疎通のツールとして一生懸命コミュニケーションを取っているのです。
インタビューを実施する中で印象的だったのは、英語があまり話せないロシア人の女性が携帯で翻訳ツールを使いながら質問に応じてくれたことです。英語ができないことを謝りながらも、日本で楽しんでいることや日本に来たきっかけを教えてくれました。
英語を第1言語としない訪日客はたくさんいましたが、総じて言葉が伝わらないことを不便に感じている人は少なかったです。翻訳ツールを使うことに抵抗はないし、むしろ身振り手振りで会話してみるのが楽しい、お互いがどうにか伝えよう、理解しようという姿勢が何よりも大事であることを感じました。
地域によっては英語を話せるスタッフがいないから訪日客の受け入れにハードルを感じられることもあるかと思います。ただ訪日客と直接話してみて、日本人が思っているほど言語に対するハードルを感じる必要はなさそう、というのが1つ目の気づきでした。
2. 困りごと・トラブルも旅の醍醐味
「旅中で何か困ったことはありますか?」という質問を用意していましたが、思いの外「何も困っていない」という回答が37%と多く驚きました。
「東京と地方を比較すると英語対応しているものが減ったと感じる」
「地下鉄は難しいけど迷路みたいでむしろ面白い」
一部の方のコメントになりますが、トラブルや困りごとをそう捉えず、旅行体験の一部として楽しんでいるような雰囲気がありました。確かに自分自身も旅中で起きたトラブルがなんだかんだ一番記憶に残っているような気がします。
3. 日本の魅力を見つけてくれるのは訪日客
「くまモンが好き。各都道府県の公式キャラクターのTwitterアカウントが好きでよく見ている」
「メロンソーダとチョコバナナを食べるのが楽しみ」
「グラフィックデザイン専攻で、高野山にいる有名な書道家に書道を習いに行く」
「写真で見た田舎にポツンとある神社が神秘的だったので見に行ってみる」
ほんの一部になりますが、「そこが楽しみなんだ」というような意外なモノに興味を持っている人がたくさんいて面白かったです。私たち日本人が思う魅力ももちろん大切にしていきたいですが、実は日本の魅力を見つけ出してくれるのは訪日客なのかなと感じました。
MATCHAの記事では、有名な観光スポットを抑えて人気ランキング上位に入った過去の記事でこういったものもありました。
<記事の紹介>
https://matcha-jp.com/jp/9559
https://matcha-jp.com/jp/8555
https://matcha-jp.com/jp/10319
自治体の方から、自分たちの地域の魅力で何が訪日客に気に入ってもらえるのかが分からない、何を発信したら良いのか分からないという相談を受けます。今回の結果のように訪日客が興味を持つきっかけはどこにあるか分かりません。どんな些細な日常も、彼らにとっては非日常で魅力になるということです。
今回インタビューを実施した背景
私たちカスタマーサクセスは、MCM(MATCHA Contents Manager)を使って訪日客への情報発信に取り組んでいる皆さまの伴走支援を担っています。具体的には記事のコンテンツ提案、記事をより読まれるものに仕上げるための修正サポート、PV数などの数値から分かるデータの分析、また直近の訪日客のトレンド共有などを行なっています。
※MATCHA Contents Manager(MCM)は、誰もが簡単に、インバウンド観光プラットフォーム「MATCHA」に投稿し多言語で発信できるサービスです。
サービス詳細はこちら→MATCHA Contents Manager概要
最終的には皆さまの訪日客への情報発信の助けになったり、地域の課題解決に貢献することを目指しています。
そんな中、カスタマーサクセスとして日々観光事業者や自治体の皆さまとお話する機会はあるものの、最終的に記事を読む訪日客となかなか接する機会を持てていないことにもどかしさを感じていました。トレンド共有やフィードバックをする立場なら、もっと訪日客と接点を持ちタイムリーに生の声を観光事業者や自治体などの皆さまに届けたいと感じ、そこで思い付いたのが街頭インタビューでした。
MATCHAのオフィスは浅草まで20分ぐらいのところにあるので、こんなに近いならまずは行ってみよう取り組みを始めてみることになりました。
引き続き、インバウンドに近い会社として彼らのインサイトに常にアンテナを張った定期的な調査など行っていく予定です。
MATCHA訪日客ヒアリングチーム 荒幡、田辺
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